【「人間ってカッコ悪くてもいいんだよ! 人間らしくていいんだ②」 不安定な青春時代にその事を教えてくれた俳優がいました。】
2019年4月29日
こんにちは!ヒロシです。
くすり屋を40年もやっていますと、いろいろな人達との出会いがあります。
その中でも忘れることの出来ない人たちがいます。
その人達との出会いが今の鈴木薬局を形作ったと思っています。
今回は私の人生に大きく影響を与えた「映画」の世界をお伝えしたいと思います。
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映画「約束」で円熟期の大女優・岸恵子の相手役として抜擢された萩原健一。
この映画の後で彼はあの石原裕次郎の目に止まります。
そして有名な「太陽にほえろ」に新人刑事(マカロニ)役として大抜擢されます。
昭和47年のことです。
(「太陽にほえろ」は昭和61年、全718話まで続く)
ショーケンを前面に出して始まった「太陽にほえろ」は記録的な高視聴率を叩き出していきます。
このマカロニ刑事は、今までの刑事ドラマのイメージとはかけ離れていました。
正義の味方で強い!
と言うよりも、逆に犯人側に感情移入してしまう弱い刑事という役でした。
長髪でノーネクタイ。流行りのスーツを着こなして、とにかくよく走る。
でも気が弱くて、人間臭くて腕力もなく、腰が引けちゃってるかっこ良くは無い。
それがマカロニ刑事でした。
昭和47年、私が高校3年の時の作品「そして愛は終わった」という話の中で、旧友・沢田研二(ジュリー当時24才)が犯人役で共演しています。
このドラマの最後にショーケンがジュリーを射殺してしまうシーンがあるのですが、
撃った後のショーケンの演技がスゴカッタ!!
「ごめんなさい。ごめんなさい。おれ刑事なんかやめた!撃っちゃった。撃っちゃったよ。ごめんなさい。ごめんなさい。」
まるで子供のように犯人の前で泣き叫ぶんです。
かっこ悪い!
『人を殺すってこんなになるんだ。』
その時、思春期真っ只中だった私にはとてもキョーレツな場面でした。
実はこれって一切台本には書かれていませんでした。(脚本家談)
全てがショーケンのアドリブだったそうです。
そして「傷だらけの天使」「前略おふくろ様」と彼の主演したドラマは次々に大ヒットしていきました。
相変わらず彼の演じる役はどれも弱くてかっこ悪くてピーピー泣く弱い人間ばかりでした。
でも、当時の私にとってはそのカッコ悪さがたまらなくカッコ良くてファッション的にもよく彼の真似をしていました。
青春ど真ん中だった私にとって
「人間ってかっこ悪くてもいいんだよ。人間らしくていいんだ。」
ドラマの中のショーケンがそう教えてくれました。
今から思えば、一人暮らしで心細い青年期の不安定な私にとってショーケンのドラマは大きな心の支えになっていたのかもしれません。
一世を風靡した彼も、その後いろんな事件を起こし、なんども逮捕されマスコミを賑わします。
マスコミはショーケンに「ワガママで弱いやつ。めんどくさいやつ」というイメージを植え付けました。
彼は本当に弱いやつだったのでしょうか?
弱さをさらけ出す人ほど真はものすごく強くて優しい人なんじゃ無いかと思っています。
平成23年から8年間。
妻のリカさんに支えられながら最後まで頑張りました。
最後に人間の本当の強さを教えられたようと気がします。
心よりご冥福をお祈りいたします。