がんの話〜がんになる原因の3分の1は…〜
2018年7月1日
東京大学医学部付属病院放射線科准教授の中川恵一Dr.曰く、
がんで死なないための 一番「確実」な方法は 「がんにならないこと」 だとおっしゃいます。
何を当たり前の事を… と思ってしまいますが、「2人に1人はがんになる」と言われる「がん大国」と呼ばれる日本なのに、諸外国と比べて、なぜかがんに対する知識があまり無い人が多いんですね。
「がんを知る事」が大切だという事なんです。
中川先生がおっしゃる『がんになる原因』は 3分の1がタバコ、
3分の1がお酒や食事や運動といった「タバコ以外の生活習慣」
そして残りの3分の1が ・・・「運」と言っているんです。
えーそんな無責任な!と思ってしまいそうですが、 食事にも生活習慣にもめちゃくちゃ気をつけて、聖人君子のような生活をしている方でも、がんになってしまう事だってあり得ます。
そういう人を何人も見てきての考えなのでしょう。
だから大切なのは 「がんを防ぐ生活習慣を心がける事」 それと 「運悪くがんになっても早期に発見して完治させる事」 の2つだと言われています。
早期発見してすぐに治療をすれば、ほとんどの臓器のがんで治癒率は9割以上になります。
一昔前の「がんは不治の病」という時代は終わってるんですね。
なぜ早期発見がそんなにも大切なのか… それを解き明かしますね。
ある日、体の免疫システムから逃げ切って1つのがん細胞が生き残ったとしましょう。
そのがん細胞が細胞分裂を繰り返し、大きくなって検診で1cm(見つかる最小の大きさ)で見つかる大きさになるまでに乳がんで15年。 大腸ガンでは20年以上かかります。 (という事は60歳の検診で1cmのがんが見つかったら、乳がんだと45歳の時。大腸ガンだと40歳の頃から育ってやっと60歳の時点で見つけれる大きさになるというわけです。)
そんなに時間がかかるのか!?という感じでしょう。
ただ、問題はこれからです。 1cmのガンが4cmの進行がんに成長するには2~4年の時間で育つんです!!
さらに4cmのがんが8cmになるには 1~2年の時間でなれます。
つまりはがんは、検査でわかる大きさになるまでには長い年月がかかりますが、早期ガンが進行がんに育つにはあまり時間がかからないのです。
そしてがんが大きくなると血液中に流れ込んで全身に移動をして住み着きます。これを「転移」と言います。
たとえば乳がんの細胞は「ふるさと」である乳房が一番住み心地がいいのですが、がんの塊が大きくなってくると他の場所に栄養を求めて移動します。
そして肺にたどり着きそこを「植民地」と決めたら、そこでまた増殖を繰り返します。
そうなると「肺」にできたがんでも 元は乳がんなので乳がんの治療をするんです。
転移をすると治療もまたややこしく複雑になるので、できるだけ小さい段階ではじめの場所にいる状態の時に、治療をすると予後が全然違うそうです。
「がんを防ぐ生活習慣を心がける事」+ 「運悪くがんになっても早期に発見して完治させる事」
この二つを忘れないでくださいね。