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2022年11月15日

鎌状赤血球症って聞いたことありますか?

 

全身に酸素と栄養を運んで老廃物を回収するという、むちゃくちゃ大切な仕事をしている赤血球ですが、

正常な赤血球って白玉を親指で潰したみたいな、楕円形で真ん中がへっこんだ形をしてて、めっちゃ柔軟で、全身くまなく周りますから、

ほっそいほっそい毛細血管も通れる様にうみょーんって変形して、細ーいところまで入り込んでいくんですね。

 

鎌状赤血球症っていうのは、この楕円で柔軟な赤血球が鎌の様な形になって硬くなってしまうという病気なんです。

 

しかも、通常の赤血球の寿命って120日なのが、鎌状赤血球章の方の赤血球は12日くらいで死んでしまうんです。

 

ということは、全身に酸素と栄養を運ぶことができなくなりますからね、

肝臓、脾臓、脳、腎臓、骨とか、様々な臓器に障害がでて腎不全や心不全になることもあって、命を落としてしまうこともある病気なんですね。

 

この鎌状赤血球症は遺伝性の疾患で、本来日本人にはこの遺伝子を持つ人は存在しないと言われています。

世界的には黒人の方に多くて、10%の人は鎌状赤血球症の遺伝子は持っているんですって。

 

ただ、遺伝子を持っていると全員が発症するというわけではないんです。

非常に怖い病気なんですね。鎌状赤血球症。

 

これはアフリカの方では10人に1人は遺伝子を持っているわけですから、わりかし身近な病気だったんですが、とあることがあって、注目されたんです。

 

それは、昔アフリカでマラリアが大流行した時のことです。

マラリアって日本に住んでると心配することは少ないですが、世界で見ると今でもとっっても怖い感染症で、2015年には2億人のマラリア患者と44万人のマラリア死亡者が推定されました。それでも2000年から2015年までに、世界でマラリアの死亡率は60%減少してますからね。

60%減少しても44万人ですよ。

治療方法がなかった時代にマラリアにかかるというのは本当に恐怖だったと思います。

 

その時の流行は非常に強力で、次々と感染した人が亡くなっていったんですって。

でも、その時にかからなかった人がいるんです。

 

その人たちを調べてみたところ、全員に共通することが分かったんです。

 

それが、鎌状赤血球の遺伝子を持つ人たち。だったんです。

 

ある村の人を大きく分けると、鎌状赤血球症の遺伝子を持っていない人たちが全体の1/4。

この人たちは残念ながらほとんどがマラリアで亡くなってしまいました。

 

鎌状赤血球症の遺伝子を持っているけど、発症していない人が2/4。

鎌上赤血球症の遺伝子を持っていて、発症している人が1/4。

この人たちが生き残っていたんです。

 

鎌上赤血球を持っていて、且つ。発症している人がいなければ、残りの2/4の人も存在しないので、この1/4の人がいてくれるおかげでこの村は全滅せずにすんだわけなんですよ。

 

考えさせられますよね。

 

一見マイナスに思えるじゃないですか。

病気を発症するかもしれない遺伝子を持つとか、病気になってしまう。ってことって。

でも、その遺伝子がその村も自分もを救ったわけですもんね。

 

表面的に考えるとマイナスに思えることも、実は実は、広い目線とか、深い目線でみた時には、マイナスだと思っていたことが、実はとんでもないプラスである。

なんてことだってあるじゃないですか。

 

チクショーなんでなんだ!なんで自分だけ!最悪だ!って今思ってることも、

実は実は、そんなことがないのかもしれない。と一瞬思えるだけでも、ちょっと楽になるのか。と思うのです。