健康コラム COLUMN

【怒りのエネルギーと土壇場のエネルギー】愛媛 香川 四国中央市 新居浜 西条 自然薬 漢方薬 漢方 生理痛 更年期 ストレス 自律神経 HSP

2024年4月20日

=前回からの続き=

 

「おとん!俺、やっぱり薬学部に行く…」

「はぁ?」

私と家内は思わず 顔を見合わせまし た。

 

健が高校一年 の三学期のことでした。

というのも、健が高校に入ってから まともに勉強している姿を見たことが ありませんでしたから。

学校から帰ってくるのは夜の七時頃で、友達の家で遊んで帰ってくる毎日でした。 仲のいい兄が、自分の希望した通り美容学校に行ってからも、春休み、夏休み、冬休みには待ちかねたように兄のアパートに泊まりに行っていました。

兄がバンドをしていたのでライブハウスへの出入りがあったこともあり、自分の好きなバンドが出演すると友達を誘って行っていたのです。

 

とても楽しい高校生活だったのではと思います。

そして高校二年になると同級生の可愛い女の子を家に連れて来ました。この子が今のお嫁ちゃんです。

 

そんな彼にもついに、この先の進路を決める時期がやって来ました。 現実を目の前に突きつけられる時です。  職員室で担任の先生と進路の話をしている時、横から特別進学クラスの先生が 「健!お前の偏差値では薬学部は絶対に無理! やめとけ!やめとけ!親は知っとんか?この話。親ともっとちゃんと話しあって来い!」 と言ってきたようです。

 

親としたら「よくぞ言ってくれました、先生様」という感じです。

 

ところが当の本人は 「あの先生にだけは言われたくない!一度も教えてもらったこともないのに」 と、この特進クラスの先生の言い方にカチンと来たようで、怒りのスイッチが入ったようです。

この出来事があってから健は人が変わったように勉強し始めました。

自分から塾に行かせてくれと言い出して、毎日、帰宅途中に通うようになりました。

そして三年生の一月、滑り止めに受けた薬学部に合格。

でも後は全滅でした。

 

最近、この記事を書くにあたって当時のことを聞いたのですが

 

健『 推薦で早目に滑り止めの薬大に合格したばっかりに気が抜けてしまって…それで最後まで頑張らなかったと思う。 俺と同じくらいの成績で、同じように滑り止めだけしか合格してなかったある友人は俺と違って、最後の最後まで気を抜かず頑張って希望の大学の薬学部に合格した。

俺と友人の大きな差は、最後の二ヶ月をいかに諦めずにギリギリまで頑張れたかだと思う。

でもな! この時の失敗は、四年後の薬剤師国家試験の勉強の時に、とても役にたったから無駄にはなってない!

人間、最後の最後まで諦めたらいかん。 追い詰められた土壇場のエネルギーは、物凄いものがあると思うなぁ・・・』と。

 

「俺は美容師になる!」 と言い切った中学生の長男。

「おとん!やっぱり俺は薬学部に行く!」 と勉強をし始めた次男。

 

何かになりたいなんて、思ってもみなかった私にとっては「すごいなぁ」と思える息子達でした。

あれから二十年以上が経ちますが、それぞれの道で楽しそうに頑張る姿を見ていると、子供達に教えられることのほうが多かったなぁと、実感する今日この頃です。       ヒロシでした