健康コラム COLUMN

時代によって変わってくる治療法

2018年11月7日

がんに関する本は、その時代や医療の進歩によって書き方が変わります。

今回はそんながんに関する本の今の主流をご紹介したいと思います。

 

5年程前。 本屋さんで山積みにされて計110万部突破した本があります。

『医者に殺されない47の心得』 この本の著者は放射線医の近藤誠氏。

この先生は「がん放置療法」や「がんもどき理論」など現代のがん治療を真っ向から否定する独自の理論を発表して世間に衝撃を与えました!

その時期には近藤先生に乗っかって、日本の3大がん治療(手術・放射線・投薬)を否定する ようながんの本が 沢山でました。

 

そしてその後… 今度は近藤先生の理論を否定する本が沢山出ました!

『近藤誠理論 徹底批判』

『医療批判本の嘘~医者の極論で命を縮めないために読んでください~』

『そのガン放置しますか?』 など。

 

否定のし合いの本は読んでて気持ちいいものではないですが、がん治療の知識のために両者の言い分を交互に読みました。

私の考えでは近藤誠理論は極端すぎると思っています。一理ある!程度ですね。

近藤誠理論に心酔してどっぷりつかってしまうと命を縮めてしまう事も多くあるのでは!?と思わざるを得ません。

 

実際に経過観察するだけでいい甲状腺がん(1㎝以下の低危険度の無症候性微小乳頭がんに限る)のようながんもあると言われていますが、 基本的には3大治療がやはり基本となり、かつ正常細胞を守りながらの治療が大切だと考えています。

西洋医学の攻撃的な治療。東洋医学的な防御の治療。両者のバランスが大切だと思いますね。

攻撃だけの治療だとどうしても副作用によってQOL(生活の質)が落ちてしまいます。

これが3大治療否定の方の意見= 「がん治療を始めるまではあんなに元気だったのに、治療を始めたらみるみる症状が悪化してしまった」 というものです。

 

だから防御に特化した東洋医学的な治療も必要だと思います。

正常細胞を守り、副作用を軽くするためにも!

話は逸れてしまいましたが…

そして今、 がん治療の本でほとんどのお医者さんが訴えること、それは 「がんは不治の病から慢性病の時代になった」 と言う事。

 

今では原因がわかってきている種類のがんもあります。

そして、早期発見の難しいがんや難治がんも含めた全がんの5年生存率が7割近くになりました。 なので早期発見して早期治療をできると治癒率は本当に高いんですね! その事をとにかく訴えています。

 

毎日診療をしていると特にそれを感じるのでしょう。

『がんとの賢いつき合い方』の著者 消化器外科 門田守人先生もその事を強く書かれていました。

門田先生は「キャンサーカフェ」というガンサバイバー(がんを克服した人)をゲストに迎えてトークをするラジオで週に1度パーソナリティーを務めておられます。 診療やラジオや本を通してがんになった時に「自分らしい選択をする事」や「自分らしく生きる事」の大切さを伝えておられます。

 

がん=決してネガティブなものではなくてそれを機に生き方が良く変わった人の話なんかをラジオでもされてるようです。 がんの治癒率がドンドン上がってきている時代だからこそ、 まさに「がんとの賢いつき合い方」なんですね。